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障がい福祉サービスとは、暮らしと働くことを公的なしくみで支える制度です。手帳がなくても使える場合があり、自己負担は多くの方が0円。種類・対象・費用の上限額・相談から利用開始までの流れを、専門用語をかみくだいて解説します。
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障がい福祉サービスとは 種類・対象・費用・使い方をやさしく解説

下書き(最終更新 2026.08.20)

「障がい福祉サービス」という言葉を耳にしても、どんな種類があって、誰が、どうやって使えるのかは、意外と分かりにくいものです。ご本人にとってもご家族にとっても、はじめての制度は「調べるほど分からなくなる」ことが少なくありません。

この記事では、群馬県前橋市を拠点に障がい福祉サービスを10年以上運営してきた実績のあるワンライフが、サービスの全体像・対象になる方・利用までの流れ・費用まで、専門用語をできるだけかみくだいてご紹介します。「まず何から知ればいいか」が分かる地図として、お読みいただければ幸いです。

障がい福祉サービスの利用について相談する面談の様子

障がい福祉サービスとは——「暮らし」と「働く」を公的なしくみで支えること

ひとことで言うと 暮らしと働くことを、公的なしくみで支える制度です。

障がい福祉サービスとは、障害者総合支援法にもとづいて、障がいのある方の日々の暮らしと働くことを支える公的なしくみです。市町村が利用を決定し、費用の大部分は公費(給付費)でまかなわれます。民間の有料サービスではなく、制度として用意された選択肢だという点が、まず大切なところです。

中身は幅広く、ヘルパーに来てもらう、日中を過ごす場に通う、仲間と働く、住まいをシェアする、お子さんの発達を支える——といったものまで含まれます。「福祉サービス=介護」というイメージを持たれることがありますが、実際には働くことを支えるサービスが大きな柱のひとつです。

ワンライフが大切にしているのは「障がいを持つ方が100人いたら、100通りの選択肢を提供したい」という考え方です。制度の側にたくさんの入口が用意されているのは、まさにその人ごとの違いに応えるためです。

対象になるのはどんな方?——手帳がなくても使えることがあります

ひとことで言うと 手帳がなくても使えることがあります。困っていれば相談して大丈夫です。

対象になるのは、身体障がい・知的障がい・精神障がい(発達障がいを含む)のある方、そして難病等のある方です。18歳未満のお子さんには、児童福祉法にもとづく別のサービスが用意されています。

よくある誤解が「障害者手帳がないと使えない」というものです。手帳がなくても、医師の診断書や意見書などで対象と判断されれば利用できる場合があります。「手帳を取るかどうか迷っている」という段階で相談に来られる方も多く、それはまったく問題のないスタートです。

迷ったときの目安:「今の生活のなかで、困っていることがある」——その時点で、相談する理由としては十分です。使う・使わないを決めるのは、話を聞いたあとで構いません。

サービスは大きく2種類——「介護給付」と「訓練等給付」

ひとことで言うと 「介護を受ける」系と「力をつける・働く」系の2つに分かれます。

数が多くて混乱しやすいのですが、障がい福祉サービスは大きく2つのグループに分かれると考えると、一気に見通しがよくなります。

介護給付

日常生活の介護・支援を受けるサービス。

  • 居宅介護(ホームヘルプ)
  • 生活介護
  • 短期入所(ショートステイ)
  • 施設入所支援 など

利用には障害支援区分の認定が必要です。

訓練等給付

働くこと・自立した生活に向けて力をつけるサービス。

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型・B型
  • 就労定着支援
  • 共同生活援助(グループホーム)など

原則として区分認定は不要です(一部例外あり)。

障害支援区分とは、必要な支援の度合いを「非該当・区分1〜6」で表したものです。数字が大きいほど手厚い支援が必要と判断されます。「働く」系のサービスの多くは区分認定なしで利用できるため、就労系はハードルが低い入口だと知っておくと安心です。

「働く」を支えるサービス——就労移行支援・A型・B型・就労定着支援

ひとことで言うと 移行支援・A型・B型・定着支援の4つ。違いは雇用契約の有無です。

もっともご相談が多いのがこの領域です。似た名前が並びますが、役割ははっきり分かれています。

就労継続支援B型の主な仕事内容(軽作業・清掃・農作業・PC作業・接客・在宅)の図解
サービス 雇用契約 主な対象・期間 こんな方に
就労移行支援 なし(訓練) 原則18〜65歳未満/利用は原則2年 一般企業への就職を目指したい
就労継続支援A型 あり(最低賃金以上) 原則18〜65歳未満/期間の定めなし 働く力はあるが、配慮のある職場で働きたい
就労継続支援B型 なし(工賃) 18歳以上/年齢の上限・利用期間の制限なし 体調に波がある/自分のペースで通いたい
就労定着支援 就職から6か月経過後/最大3年 就職した後も相談相手がほしい

A型とB型のいちばんの違いは「雇用契約があるかどうか」です。A型は雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の給与が支払われ、労働基準法や社会保険の対象になります。B型は雇用契約を結ばず、生産活動の成果に応じた工賃を受け取るかたちです。厚生労働省の集計では、B型の平均工賃は令和5年度で月23,053円。事業所によって差が大きいため、見学時に確認しておきたいポイントのひとつです。

B型は全国に約18,000か所、利用者は約38万人と、障がい福祉サービスのなかで最大規模です。週1日・1日1時間からといった柔軟な通い方ができ、年齢の上限もありません。「まずは家から出るところから」という段階の方にとって、現実的な選択肢になります。

就職はゴールではなくスタートです。働き始めてからの困りごとを支える就労定着支援も忘れずに知っておいてください。

ワンライフでも、動画編集やeスポーツに取り組むONEGAME、保護犬・保護猫と関わるONEPET、ミニトマト栽培を通じて働くONENOUEN(農福連携)など、「働く」の形そのものを増やすことに取り組んでいます。

2025年10月に始まった「就労選択支援」——迷ったときの新しい入口

ひとことで言うと 迷ったときに、一緒に進路を選ぶための新しい入口ができました。

「A型とB型、どちらが自分に合うのか分からない」——これは本当に多いご相談です。この課題に応えるかたちで、2025年10月から「就労選択支援」という新しいサービスが始まりました。

就労選択支援は、ご本人の希望や得意・不得意を客観的に整理(アセスメント)したうえで、一般就労・就労移行支援・A型・B型といった選択肢を本人と支援者が一緒に比べて選ぶための入口サービスです。これまでは「利用を始めた事業所が評価する」形が中心で、他の選択肢と見比べる機会が乏しいという課題がありました。

制度としては新しく、対応できる地域や事業所はこれから広がっていく段階です。「まだ決められない」ことを前提にした制度がある——それだけでも、知っておく価値があります。

「暮らし」を支えるサービス——家・日中・お出かけを支える

ひとことで言うと 自宅での介助、日中を過ごす場、泊まり、住まい。暮らしの場面ごとにサービスがあります。

働くこと以外の時間、つまり暮らしそのものを支えるサービスもあります。「まだ働くことは考えられない」「まずは生活を整えたい」という段階でも使えます。

サービスどんなときに使うか
居宅介護
(ホームヘルプ)
自宅で入浴・排せつ・食事の介助や、掃除・洗濯・買い物などを手伝ってもらえます。ひとり暮らしを続けたい方の支えになります。
重度訪問介護重い障がいがあり常に介助が必要な方に、長時間まとめて自宅で支援します。外出の同行も含まれます。
同行援護
行動援護
目が見えにくい方の外出に付き添ったり(同行援護)、危険を避けるための支援が必要な方の外出を支えたり(行動援護)します。
生活介護日中に食事や入浴などの介助を受けながら、創作活動や生産活動に取り組む場です。全国で約30万人が利用しています。対象は原則として障害支援区分3以上(50歳以上の方は区分2以上)です。
短期入所
(ショートステイ)
介護する方が病気や用事のときなどに、短期間泊まって支援を受けられます。「もしものとき」の備えとして登録しておく方も多いサービスです。
共同生活援助
(グループホーム)
少人数で共同生活を送りながら、必要な支援を受けられる住まいです。障害支援区分を問わず利用でき、全国で約15万人が暮らしています。類型は「介護包括型」「日中サービス支援型」「外部サービス利用型」の3つです。
施設入所支援施設に入所して、夜間や休日の介護を受けます。地域での暮らしが難しい場合の選択肢です。

「親元を離れて暮らせるだろうか」というご不安は、ご家族から最も多くいただくご相談のひとつです。いきなり自立ではなく、支えのある住まいという中間の選択肢があることは、ぜひ知っておいていただきたいところです。ワンライフでもグループホームONEHOMEを運営しています。

お子さんのためのサービス——18歳未満の場合

ひとことで言うと お子さんには、児童福祉法にもとづく別のサービスが用意されています。

18歳未満のお子さんは、大人向けとは別の枠組みでサービスを利用します。「発達がゆっくりかもしれない」という段階からで大丈夫です。

サービスどんなときに使うか
児童発達支援小学校に上がる前のお子さんが通い、日常生活の動作や集団での過ごし方を練習します。ご家族への相談・助言もあわせて行います。
放課後等
デイサービス
就学中のお子さんが放課後や長期休みに通う場です。生活能力を高める活動や、居場所としての役割があります。
保育所等
訪問支援
支援員が保育所や学校を訪問し、集団生活になじめるよう本人と先生の両方を支えます。
医療型・
福祉型の入所
障害児入所施設で、生活の支援や治療を受けます。

お子さん向けの事業所では、大人向けの「サービス管理責任者」にあたる職種として児童発達支援管理責任者(児発管)が個別支援計画をつくります。ワンライフでも児童発達支援・放課後等デイサービスのchouchou(シュシュ)を運営しています。

なお、お子さんの場合は費用の上限額の判定が大人と異なり、保護者の方が属する住民票上の世帯で見ます(詳しくは下の「費用」の章をご覧ください)。

費用はいくらかかる? 多くの方が「0円」です

ひとことで言うと 多くの方は0円です。かかる場合もひと月の上限が決まっています。

いちばん多いご質問が「お金はいくらかかるの?」です。結論から申し上げると、多くの方の自己負担は0円です。

障がい福祉サービスの費用は、そのほとんどを国と自治体が負担します。ご本人が支払うのは一部だけで、しかも世帯の収入に応じて「ひと月にこれ以上は払わなくてよい」という上限額が決められています。どれだけ多く利用しても、この上限を超えることはありません。

区分世帯の収入の状況ひと月の上限額
生活保護生活保護を受けている世帯0円
低所得市町村民税が非課税の世帯0円
一般1市町村民税の課税世帯(所得割16万円未満)。収入がおおむね670万円以下の世帯が目安です。※20歳以上で施設に入所している方、グループホームを利用する方は除きます9,300円
一般2上記以外37,200円

「世帯」に含まれるのは誰か

ここも誤解が多いところです。18歳以上の方の場合、収入を見るのは「ご本人と配偶者」だけです。同居しているご両親やごきょうだいの収入は関係ありません。

お子さん(障がい児)の場合は、保護者の方が属する住民票上の世帯で判断します。

出典厚生労働省「障害者の利用者負担」。このほか、食費や光熱水費などは実費のご負担になります。負担を軽くするしくみ(補足給付など)もあり、実際の金額はお住まいの市区町村が決定します。正確な金額は、お住まいの障がい福祉の窓口でご確認ください。

使い方 相談から利用開始までの5つのステップ

ひとことで言うと 市区町村の窓口か相談支援事業所への相談から。利用開始まで1〜2か月が目安です。

「どこに行けばいいのか分からない」という声をよくいただきます。手続きは市区町村が窓口です。おおまかな流れは次のとおりです。

ステップ1 相談する

お住まいの市区町村の障がい福祉の窓口、または相談支援事業所に相談します。「まだ使うか決めていない」段階で大丈夫です。何に困っているかを話すところから始まります。

ステップ2 申請する

市区町村の窓口で利用を申請します。障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書などで対象と判断されれば利用できる場合があります。

ステップ3 調査を受ける(サービスによって)

ホームヘルプや生活介護などの介護給付を希望する場合は、心身の状況について80項目の調査を受け、どのくらいの支援が必要かを示す障害支援区分(非該当と区分1〜6の7段階)が決まります。

就労移行支援・就労継続支援・グループホームなどの訓練等給付は、原則としてこの区分認定は不要です。「働く」系のサービスは、入口のハードルが低いのはこのためです。

ステップ4 計画をつくる

相談支援専門員が、暮らし全体をどう組み立てるかをまとめたサービス等利用計画案をつくります。これをもとに市区町村が支給決定を行い、受給者証が交付されます。受給者証には、利用できるサービスの種類・量と、ご自身のひと月の上限額が記載されています。

ステップ5 事業所を選んで契約する

見学や体験を経て、利用する事業所と契約します。事業所側ではサービス管理責任者が、あなた専用の個別支援計画をつくり、支援が始まります。

出典厚生労働省「障害支援区分」。障害支援区分は平成26年4月に「障害程度区分」から名称と仕組みが変わり、認定調査は106項目から80項目に見直されました。手続きの細かな運用は市区町村ごとに異なります。

どのくらい時間がかかりますか

申請から利用開始までは、調査や計画づくりを挟むため1〜2か月程度かかることが一般的です(市区町村やサービスの種類によって幅があります)。「来月から通いたい」という場合は、早めに相談を始めてください。

よくある質問

Q. 障害者手帳がないと使えませんか

手帳がなくても、医師の診断書や意見書などで対象と判断されれば利用できる場合があります。「手帳を取るか迷っている」という段階でのご相談も歓迎です。

Q. 家族の収入が多いと、自己負担も高くなりますか

18歳以上の方の場合、収入を見るのはご本人と配偶者だけです。同居のご両親やごきょうだいの収入は含みません。

Q. 何か所も利用したら、そのぶん費用は増えますか

増えません。ひと月の上限額は世帯ごとに1つです。複数のサービスを使っても、合計でこの上限を超えることはありません。

Q. 働く系のサービスは、区分の認定が必要ですか

原則として必要ありません。就労移行支援・就労継続支援A型/B型・グループホームなどは訓練等給付にあたり、区分認定なしで利用できます(一部例外があります)。

Q. 途中で別のサービスに変えられますか

変えられます。体調や希望の変化に合わせて、相談支援専門員と計画を見直していきます。まずは合いそうなところから始めて構いません。

Q. 見学だけでもできますか

できます。多くの事業所が見学・体験を受け付けています。実際に足を運んで雰囲気を見るのが、いちばん確実な選び方です。

まとめ

障がい福祉サービスは、暮らしと働くことを公的なしくみで支える制度です。手帳がなくても使える場合があり、費用の自己負担は多くの方が0円、上限があるので使いすぎで高額になることもありません。手続きは市区町村の窓口か相談支援事業所への相談から始まります。

大切なのは、「困っていることがある」時点で相談してよいということです。使うかどうかは、話を聞いたあとで決めて構いません。

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この記事の監修者
市村 均弥(いちむら きんや)
株式会社ワンライフ 代表取締役

「障がいのカタチを変える」を掲げ、障がい福祉のフランチャイズを全国に展開。福祉と多様な産業(保護犬・保護猫、eスポーツ、農業など)を掛け合わせた事業モデルで、障がいのある方の“働く選択肢”を広げている。

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