eスポーツで開業する就労継続支援B型 ONEGAMEフランチャイズ
2026.09.09
「eスポーツで就労支援の事業所を開きたい」——ここ数年、こうしたご相談が確実に増えています。ゲームや動画が好きな若い方が集まりやすく、これまで福祉サービスにつながらなかった層に届く。その手ごたえは、私たちも現場で実感しています。
一方で、開業のご相談をお受けしていて最も多い誤解が、「eスポーツという業態そのものが売上をつくる」という受け止め方です。結論から申し上げると、そうではありません。eスポーツが効くのは「人が集まる」という一点であり、収益の仕組みは制度で決まった就労継続支援B型そのものです。ここを取り違えると、開業後に必ず苦しくなります。
この記事では、障がい福祉サービスを10年以上運営し、直営とフランチャイズの両方でeスポーツ×就労支援を手がけてきた立場から、ONEGAME(ワンゲーム)のフランチャイズで開業するとはどういうことかを、制度・お金・人・設備の順に整理します。

結論 eスポーツは「入口」、収益の土台は就労継続支援B型の制度
最初に、開業判断の軸になる考え方をお伝えします。eスポーツ特化型の就労継続支援B型は、次の2階建てで理解してください。
- 1階=収益の土台 利用者が事業所を利用した実績に対して支払われる給付費(基本報酬+各種加算)。これは制度で決まっており、eスポーツでも農業でも軽作業でも1円も変わりません。
- 2階=集客と定着 「ここなら通いたい」と思ってもらえるか。eスポーツが力を発揮するのはここです。稼働率を通じて、結果的に1階の売上を左右します。
つまりeスポーツは売上を直接つくる装置ではなく、稼働率を押し上げる集客資産です。この整理ができていれば、「ゲーミングPCを何台入れるか」より先に「サービス管理責任者を採れるか」「生産活動をどう設計するか」に頭を使えるようになります。逆にここを誤ると、設備にお金をかけたのに工賃が生まれない、という典型的な失敗に近づきます。
▶ FC開業をお考えの方へ:就労支援フランチャイズの開業費用・収益モデル・本部の選び方を体系的にまとめた就労支援フランチャイズとは?完全ガイドもあわせてご覧ください。
ONEGAMEとは eスポーツ・動画編集に特化した就労継続支援B型
ONEGAME(ワンゲーム)は、株式会社ワンライフが展開する、eスポーツと動画編集に特化した就労継続支援B型のブランドです。2021年にフランチャイズ1号店(船橋)の開設を発表して以降、札幌清田、沖縄うるまと続き、現在は全国40店舗以上に広がっています。
利用者向けのプログラムは3つのコースで構成されています。
- 選手コース プレイ技術の向上を支援します。独自のランク設定で課題を一つずつクリアすると、自分の実力が「見える化」される仕組みです。
- イベントコース 大会やイベントという「場」を、チームでつくり上げる技術を学びます。企画力・協調性・段取り力が育つ実務そのものです。
- 実況解説MCコース 試合の実況・解説やイベントの司会など、「伝える」「盛り上げる」技術を学びます。
加えて、プロの現場でも使われる編集ソフトを基礎から学べる動画編集のカリキュラムがあり、パソコンに触れたことがない方でも段階的に習得できます。通所は週1日から可能です。ブランドとしての詳しい内容はONEGAME(ワンゲーム)とはで紹介していますので、利用者目線の姿もあわせてご覧ください。

なぜ「eスポーツ×福祉」が成立するのか 届かなかった人に届く
eスポーツ特化型の事業所が各地で成立している理由は、単に流行しているからではありません。運営してきて確信しているのは、従来の就労支援の枠組みでは出会えなかった方に届くという一点です。
就労継続支援B型の生産活動は、これまで軽作業・清掃・農作業などが中心でした。もちろんどれも価値のある仕事ですが、「自分に向いていない」「その場に自分の居場所を想像できない」という理由で、支援につながらないまま自宅で過ごしている若い方が一定数いらっしゃいます。特に、長く外出の機会が減っている方、対人関係に強い不安がある方、精神障がいや難病のある方にとって、「好きなものがある場所」は通いはじめる理由になります。
そして、通い始めたあとに育つ力は、ゲームの上手さではありません。決まった時間に起きて出かける、チームで役割を分担する、締め切りのある編集作業を仕上げる——働くために必要な力そのものです。動画編集は企業のPR動画やSNS向けの短尺動画など幅広い仕事につながる汎用スキルでもあり、一般就労への橋渡しになります。
同じ想いで、地域に新しい福祉の選択肢を
ワンライフは「障がいのカタチを変える。選択肢を増やす。」という想いに共感し、一緒に歩むパートナーを募集しています。
資料請求・個別面談・オンライン説明会で、ご希望に合わせてご案内します。
収益の仕組み 基本報酬は「定員×人員配置×平均工賃月額」で決まる
ここからは、開業者として必ず押さえるべき制度の話です。就労継続支援B型の基本報酬は、①利用定員 ②人員配置 ③前年度の平均工賃月額の3軸で決まります。たとえば定員20人以下・人員配置7.5対1の区分では、平均工賃月額に応じた段階に分かれ、1単位は原則10円、地域区分(級地)による上乗せがあります。
ここで重要なのは、eスポーツ特化型でも、報酬の決まり方はまったく同じだということです。「eスポーツだから単価が高い」という制度は存在しません。売上を伸ばす手段は、①定員をどれだけ埋められるか(稼働率)②平均工賃をどれだけ上げられるか ③加算をどれだけ正確に取れるか——この3つに限られます。
【最新の改定】令和8年度の臨時改定により、令和8年6月分の算定から、基本報酬の区分を決める「平均工賃月額」の基準額が一律3,000円引き上げられ(区分一は月4.5万円以上→4.8万円以上)、区分の間に中間区分A〜Fが新設されました。区分七・八・九の基準は変更されていません。対象となる事業所は区分変更の届出が必要です。最新の告示・自治体の要領を必ずご確認ください。
また、給付費の入金はサービス提供のおよそ45日後です。開業初月から定員が埋まることはまずないため、この時間差を吸収できる運転資金の厚みが、立ち上がりを大きく左右します。詳しくは障がい福祉サービスの開業資金で整理しています。報酬の基本構造そのものは就労継続支援B型とはをご覧ください。
最大の論点 「ゲームをする」だけでは工賃は生まれない
eスポーツ特化型で開業を検討される方に、私たちが必ずお伝えしていることがあります。基本報酬は前年度の平均工賃月額に連動します。そして工賃の原資は、給付費ではなく生産活動の収入です。
つまり、プレイ技術の練習だけを続けても、そこからは工賃が生まれません。工賃を生むのは、外部から対価を得られる仕事です。eスポーツ領域では、たとえば次のような生産活動が考えられます。
- 動画編集の受注 企業のPR動画、SNS用短尺動画、大会のハイライト制作など。ONEGAMEが動画編集のカリキュラムを軸に置いているのは、ここが最も「仕事」に変換しやすい領域だからです。
- イベント・大会の運営 地域の大会や配信イベントの企画・運営を受託し、当日の設営や進行を担う形。
- 配信・実況に関わる制作 サムネイル制作、切り抜き編集、テロップ入れなど、細分化しやすい工程が多い領域。
この「工賃を生む生産活動をどう設計するか」は、eスポーツ×福祉における最重要の設計です。工賃の考え方そのものは工賃とはで詳しく解説していますので、開業前に必ず押さえておいてください。設備投資より先に、仕事の入口を考える。これが、私たちが直営運営から得たいちばんの学びです。

eスポーツ型に固有の準備 設備と物件で見落としやすい点
制度面は他のB型と共通ですが、物理的な準備にはeスポーツ型ならではの論点があります。開業前のチェックリストとしてお使いください。
| 項目 | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 電源容量 | 高性能パソコンとモニターを同時稼働させるため、物件のブレーカー容量が不足する場合がある。契約前に確認する。 |
| 通信回線 | 対戦・配信・動画のやり取りは上り帯域を使う。一般的な家庭向け回線のままだと支援に支障が出ることがある。 |
| 音環境 | 実況・配信を行う場合、近隣への音漏れと、集中しづらい室内環境の両方に配慮が必要。 |
| 機材の更新 | パソコン・周辺機器には更新時期がある。開業時の初期費用だけでなく、数年後の更新費を資金計画に織り込む。 |
| 面談の場所 | 個別支援計画の面談や見学対応のため、ゲーミングスペースとは別に落ち着いて話せる場所を確保する。 |
| 物件の立地 | 総量規制の対象サービスのため、地域によっては指定を受けられない。物件を押さえる前に自治体へ確認する。 |
とくに最後の立地は、開業の可否そのものを左右します。就労継続支援は総量規制の対象で、令和6年4月からは市町村が都道府県に意見を申し出る仕組みも設けられました。「良い物件が見つかったので契約した」あとで指定を受けられないと分かる——これは実際に起こり得る失敗です。手続きの流れは障がい福祉サービスの指定申請で解説しています。

人の配置 eスポーツの講師がいれば足りるわけではない
もうひとつ、eスポーツ型で誤解されやすいのが人員です。「ゲームに詳しいスタッフを集めればよい」と考えてしまうと、指定要件を満たせません。
- 管理者 原則として1名。業務に支障がなければ兼務も可能です。
- サービス管理責任者(サビ管) 利用者おおむね60人に1人。必置であり、不在は減算に直結します。
- 職業指導員・生活支援員 それぞれ1名以上を置き、2職種の合計で常勤換算10対1以上。手厚い配置区分(7.5対1・6対1)を選ぶと基本報酬の単価は上がりますが、人件費も上がります。
そして開業における最大のボトルネックは、ほぼ例外なくサビ管の確保です。サビ管の要件は、経歴により実務経験3〜8年に加え、基礎研修・原則2年のOJT・実践研修という段階を踏む必要があり、お金では時間を買えません。物件も資金も整ったのに開業が数か月ずれる原因の多くはここにあります。詳しい要件は人員基準の解説とサービス管理責任者(サビ管)とはをご覧ください。eスポーツの指導ができる方は事業の魅力を高めますが、それは人員基準とは別枠の話だと整理してください。
同じ想いで、地域に新しい福祉の選択肢を
ワンライフは「障がいのカタチを変える。選択肢を増やす。」という想いに共感し、一緒に歩むパートナーを募集しています。
資料請求・個別面談・オンライン説明会で、ご希望に合わせてご案内します。
ONEGAMEのフランチャイズで本部が担うこと
フランチャイズの価値は、売上を保証することではなく、開業と運営の「未整備コスト」を肩代わりすることにあります。ONEGAMEのフランチャイズでは、おおむね次の領域を本部が支援します。
- 開業前の実務支援…エリアの確認、物件やレイアウトの相談、指定申請に向けた書類準備の伴走。総量規制の状況を踏まえた出店判断を一緒に行います。
- プログラムの提供…選手・イベント・実況解説MCの3コースと動画編集カリキュラム。自前でゼロから支援プログラムを設計する必要がありません。
- 運営ノウハウの共有…日々の支援の進め方、記録、加算の取り扱いなど、直営とFC店舗の運営で積み上げてきた型を共有します。
- 集客の支援…ブランドとしての認知と見学導線。eスポーツというテーマ自体が、相談支援事業所や医療機関への説明でも入口になります。
加盟条件、初期費用、ロイヤリティの体系、支援の詳細な範囲については、事業所の規模や地域によって前提が変わります。数字を並べる前に、まずはご希望のエリアで開業できるかどうかも含めて個別にご説明したほうが確実です。資料請求またはオンライン説明会でご相談ください。
開業までの流れ
- 情報収集・資料請求…事業モデル、支援内容、必要な体制を確認します。オンライン説明会では個別のご質問にもお答えします。
- エリア調査・事前協議…開業予定地の自治体で、総量規制を含めた指定の見通しを確認します。物件契約より前に行うべき工程です。
- 法人設立・資金計画…法人格の準備(定款の事業目的を含む)と、運転資金を厚めに見た資金計画を組みます。
- 物件契約・内装/設備…電源容量・回線・音環境を確認したうえで契約し、レイアウトと機材を整えます。
- 人材の確保…サビ管を軸に、管理者・職業指導員・生活支援員を配置します。最も時間がかかる工程です。
- 指定申請・開所…申請書類を提出し、指定は原則として毎月1日付。締切を1日でも過ぎると開所が1か月ずれます。
注意点 「eスポーツなら儲かる」という説明は疑ってください
最後に、フランチャイズ本部を選ぶ側の視点でお伝えします。障がい福祉サービスの収益は公費が土台であり、収益を断定的に保証できる事業ではありません。「必ず儲かる」「年収◯◯万円確実」といった表現は、景品表示法や特定商取引法の観点からも適切とはいえません。
本部を比較する際は、次の点を具体的に確認してください。
- 直営で運営しているか 自社で運営していない本部は、現場で起きる問題への答えを持っていないことがあります。
- 生産活動の中身が説明できるか 工賃の原資をどう確保するのか、具体的な仕事の形で説明できるか。
- 指定申請とエリアの支援があるか 総量規制を踏まえた出店判断まで一緒にできるか。
- 契約条件が明確か 期間と更新、中途解約と違約金、競業避止、屋号の扱い。
フランチャイズに向く・向かないの判断軸は独立開業とフランチャイズの比較に、つまずきやすい原因は就労支援フランチャイズの失敗事例にまとめています。
よくあるご質問
Q. 福祉業界の経験がなくても開業できますか。
A. 未経験から開業される方は珍しくありません。ただし、法人として指定基準を満たす体制を整えることと、サービス管理責任者を確保することは必須です。経験の不足を補うためにフランチャイズを選ぶ、という考え方は理にかなっています。
Q. ゲームに詳しくないと運営できませんか。
A. 経営者ご自身がゲームに詳しい必要はありません。むしろ重要なのは、支援の質を保つ体制と、工賃を生む生産活動を確保する経営判断です。プログラムの中身は本部が提供します。
Q. 「遊んでいるだけ」と見られないか心配です。
A. 私たちも当初から向き合ってきた論点です。だからこそ、コースごとに到達目標を設定し、動画編集など成果物が残る仕事を組み合わせ、個別支援計画に基づいて記録を残す運営を徹底しています。ご家族や相談支援事業所への説明でも、この設計が信頼につながります。
Q. どのくらいの広さの物件が必要ですか。
A. 定員によって必要な訓練・作業室の面積や設備の基準が変わり、自治体ごとの運用差もあります。加えてeスポーツ型では電源容量と回線が要件になるため、候補物件が出た段階で本部にご相談いただくのが確実です。
Q. 開業までどのくらいの期間がかかりますか。
A. 自治体との事前協議、物件、そして人材の確保状況によって変わります。多くの場合、律速となるのはサビ管の確保です。指定は原則毎月1日付のため、申請の締切から逆算した工程管理が欠かせません。
Q. 資金はどのくらい準備すべきですか。
A. 初期費用だけでなく、給付費が入金されるまでの約45日と、稼働率が上がるまでの数か月を吸収できる運転資金が必要です。目安の考え方は開業資金の記事で解説しています。
まとめ
eスポーツ特化型の就労継続支援B型は、これまで支援につながらなかった方に届く、確かな可能性のあるモデルです。ただしそれは「入口」の強さであり、事業として成り立たせるのは、制度の理解・人の配置・工賃を生む生産活動という、就労支援の王道の部分です。
ONEGAMEは、2021年のフランチャイズ1号店から全国40店舗以上へと広がるなかで、この王道の部分を型として蓄積してきました。「eスポーツで開業したい」というお気持ちがある方は、まず数字よりも、ご希望のエリアで開業できるか、どんな仕事で工賃をつくるかから、一緒に確かめさせてください。
同じ想いで、地域に新しい福祉の選択肢を
ワンライフは「障がいのカタチを変える。選択肢を増やす。」という想いに共感し、一緒に歩むパートナーを募集しています。
資料請求・個別面談・オンライン説明会で、ご希望に合わせてご案内します。