「障がいのカタチを変える」とは何か|ワンライフの理念とこれまでの歩み
2026.06.26
株式会社ワンライフは、「偏見のない社会を創り、障がいのカタチを変える」を理念に、群馬県前橋市を拠点として障がい福祉サービスを展開している会社です。代表を務めるのは市村均弥。2014年の設立以来、就労支援や児童発達支援など、現在は直営で20を超える事業所を運営するまでになりました。(英語表記は ONELIFE です)
このページでは、私たちが何を課題と感じ、どんな世界を実現したいと考え、これまで何をやってきたのか——その「考え方」と「歩み」をお伝えします。事業の一つひとつの背景にある想いを知っていただく入り口になればと思います。
目次
私たちが見つめている「課題」
障がいのある方の働き方には、今も大きな課題が残っています。法定雇用率を達成している企業は約半数にとどまり、就職できても1年以内に離職してしまう方が少なくありません。その背景にあると私たちが考えているのが、「職業的な選択肢の狭さ」です。障がいがあるというだけで、選べる仕事の幅が最初から限られてしまう。「やってみたい」と思っても、その入り口にすら立てないことがある——。これは、フェアな状態とは言えません。
「障がいがあるから、これはできない」。この“決めつけ”こそが、可能性を閉ざしている。私たちはそう考えています。
「障がいのカタチを変える」が生まれた原点
この理念は、創業者である代表・市村均弥自身の歩みと深くつながっています。市村はさまざまな仕事を経験するなかで、「やりたいこと」より先に「選べる範囲」が決まってしまう——選択肢が限られることのやりきれなさを、自身も身をもって感じてきました。
10代の頃から抱いていたのは、「社会的に立場の弱いとされる人たちの力になりたい」という想い。その“支え方”として市村がたどり着いた答えが、「選択肢を増やす」ことでした。
就労継続支援という福祉サービスに出会い、実際に事業所を見学したとき、利用者が来る日も来る日も同じ単純作業を繰り返している光景に、強い違和感を覚えます。「これでは、成長の手応えも、仕事の喜びも得られないのではないか」。その問いが出発点となり、2014年にワンライフが生まれました。
「○○だからできない」という偏見を、一つずつなくしていく。それが、私たちの掲げる「障がいのカタチを変える」という言葉の意味です。
ONELIFE のやり方①「障がい×○○」
選択肢を増やすために、私たちが事業の出発点にしているのが「障がい×○○」という発想です。「○○」には、これまで障がい福祉ではあまり結びつけられてこなかった分野が入ります。たとえば、
- ONEGAME(就労継続支援B型)では、動画編集(eスポーツ関連が中心)などの仕事を通じて、工賃を得ながらスキルを高めていくことができます。会社としてもeスポーツの可能性に早くから注目し、2019年には障がいのある方が参加するeスポーツ大会を群馬で開催しました。
- chouchou(シュシュ)は、幼稚園の教育・保育園の保育・児童発達支援の療育を一つにした「保育園型」の児童発達支援事業所です。「保護者が納得して通わせられ、子どもが行きたくなる場所」を目指しています。
「この仕事は障がいのある人には難しいだろう」という思い込みも、設備や進め方を工夫すれば乗り越えられる。私たちはそう信じて、新しい「○○」を増やし続けています。
ONELIFE のやり方②「課題×課題」で同時に解決する
もう一つ大切にしているのが、「課題×課題」という考え方です。社会にある二つの課題を掛け合わせ、同時に解決するモデルをつくる——。たとえば、近年新しく立ち上げたのが、保護犬・保護猫と関わる就労支援 ONEPET です。これは〔障がいのある方の一般就労が進みにくいという課題〕と〔保護犬・保護猫の殺処分という課題〕を掛け合わせた事業です。
ここでも私たちが意識しているのは、「単純作業で終わらせない」こと。トリミングやドッグトレーナーのスキルを学べるカリキュラムを用意し、小さな成功体験を積み重ねて自信につなげ、その先の一般就労を後押しする。さらに、「動物に会えるなら、家から一歩出てみよう」「同じ動物好きの仲間がいる」——そんなふうに、“まず通いたくなるきっかけ”そのものを設計しています。支援は、その場所に来てもらえて初めて始まるものだからです。
「つぶれない経営」へのこだわり
新しい挑戦を続ける一方で、私たちが強く意識しているのが「つぶれない経営」です。福祉事業所が経営に行き詰まれば、そこに通っていた人たちが働く場所や居場所を失ってしまいます。利用者の方に迷惑をかけないこと——それは、障がい福祉に携わる事業者としての最低限の責任だと考えています。だからこそ私たちは、選ばれ続けるためのサービスの質と、事業としての健全さの両立を追い求めています。
「凸凹村」という新しい居場所
「選択肢を増やす」という私たちの理念は、働く場だけにとどまりません。その一つの形が、障がいのある人もない人も集えるコミュニティ「凸凹村」です。村長を務めるのは、かねてより「選択肢を増やす」ことを発信してきた社外取締役の乙武洋匡氏。YouTube「凸凹村チャンネル」やeスポーツ大会などを通じて、障がいのある人たちの新しいつながりと居場所を生み出しています。
ONELIFE がこれから目指すこと
今、私たちが最優先に考えているのは、一人でも多くの障がいのある方に、少しでも早く、より良いサービスを届けることです。そのために、事業展開のスピードを大切にしています。同時に、コンテンツホルダーとして、それぞれのブランド・サービスの中身を磨き続けます。
「障がいは、生きていくうえでのハンディではなく、強みに変えて活かしていける個性である」。そう信じられる社会を、関わるすべての人とともに、一歩ずつ実現していきたいと考えています。
▶ 会社の基本情報は 会社概要 をご覧ください。
▶ 各事業の詳細は 事業案内 から(chouchou/ONEGAME/ONEPET)。
▶ 理念に共感いただける方は 採用情報 / お問い合わせ へ。
社会起業家として目指すもの
ワンライフは、ただ利益を追うのではなく、ビジネスを通じて社会課題を解決する「社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)」としての姿勢を大切にしています。無担保の少額融資で多くの人の自立を支えたグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏や、ホームレスの自立支援から生まれた雑誌「ビッグイシュー」のように、事業の力で「世の中のため」を実現していく——その考え方が私たちの土台にあります。
もちろん、企業として利益を出し続けることもおろそかにしません。利益が出なければ事業は続けられず、思い描く福祉のカタチも実現できないからです。淘汰されないよう企業努力を重ねながら、新しい福祉サービスでこの社会を変えていく。その先に、私たちは「上場」も視野に入れています。社会的な信頼が高まれば、優秀な人材も集まりやすくなり、より大きな挑戦——いずれは海外での展開——にもつながると考えているからです。
「障がい×起業」という次の挑戦
「障がい×○○」の発想は、これからも広がり続けます。いま私たちが見据えているのが「障がい×起業」です。障がいのある方の働き方は「雇用されること」が前提になりがちですが、経営者として自ら事業を興すという選択肢もあるはずです。ビジネスモデルの作り方から事業計画、マーケティング、会社設立の手続きまで学べる体制を整え、将来性のあるプランには出資も視野に——。障がいのある経営者が当たり前の社会を目指しています。
数字で見る ONELIFE
2014年の設立以来、ワンライフは直営で20を超える事業所を展開するまでに成長しました。就労継続支援(A型・B型)、児童発達支援・放課後等デイサービス、グループホーム、相談支援など、障がいのある方とご家族の人生のさまざまな場面を支えるサービスを、群馬県を中心に各地で運営しています。一つの分野にとどまらず、「障がい×○○」「課題×課題」の発想で領域を広げ続けていることが、私たちの大きな特長です。
すべては「偏見をなくす」ために
「子どもだから」「女性だから」「高齢者だから」「障がいがあるから」——そうした理由で社会的に不利な立場を強いることを、私たちは「偏見」と呼びます。その偏見を少しでもなくしていきたい。障がいのある人たちが、自らの意思で人生を選べる環境を整えていくことは、最終的に、社会的に弱い立場とされるすべての人の地位を底上げすることにつながると信じています。道のりは遠くても、一歩ずつ進んでいきます。
著者:株式会社ワンライフ 代表取締役 市村均弥(いちむら きんや)
2014年、群馬県前橋市にて株式会社ワンライフを設立。「偏見のない社会を創り、障がいのカタチを変える」を理念に、就労継続支援・児童発達支援・グループホーム・相談支援など、障がい福祉サービスを多角的に展開する。「障がい×○○」「課題×課題」という発想を軸に、従来の福祉にはなかった新しい選択肢づくりに取り組んでいる。