動物に関わる仕事25選 資格なし・未経験から目指せる職種と新しい選択肢

2026.07.15

「動物が好き」という気持ちを仕事にしたい——そう考えたとき、まず気になるのが「どんな職種があるのか」「資格は必要なのか」「未経験でも目指せるのか」という点ではないでしょうか。動物に関わる仕事は、獣医師やトリマーのような専門職から、資格がなくても始められる仕事まで、想像以上に幅広く存在します。

この記事では、動物に関わる仕事を4つのカテゴリーに整理して25職種を紹介し、必要な資格・年収・未経験から目指す方法までを解説します。あわせて、近年広がりつつある「福祉の現場で動物に関わって働く」という新しい選択肢についても、障がい福祉サービスを10年以上運営してきた立場からお伝えします。

動物に関わる仕事は大きく4つに分けられる

「動物に関わる仕事」とひとくちに言っても、その中身は大きく異なります。整理すると、次の4つの領域に分けて考えると全体像をつかみやすくなります。

  • ①健康・医療:動物の命と健康を守る仕事(獣医師・愛玩動物看護師など)
  • ②ペット・飼育動物:飼われている動物のケアやしつけに関わる仕事(トリマー・ドッグトレーナーなど)
  • ③働く動物とともに:使役動物や競走馬を育て、ともに働く仕事(盲導犬訓練士・厩務員など)
  • ④野生動物・自然・畜産:野生動物や家畜、自然環境に関わる仕事(飼育員・酪農家など)

必要な資格や働き方、年収はカテゴリーや職種によって大きく変わります。まずはそれぞれの代表的な職種を見ていきましょう。

動物に関わる仕事の様子(動物カフェで猫とふれあうスタッフ)

①動物の健康・医療に関わる仕事

動物の命と健康を直接預かる、専門性の高い領域です。国家資格が必要な職種が中心になります。

  • 獣医師:動物の病気の診断・治療・手術を行う。6年制の獣医学系大学を卒業し、獣医師国家試験に合格する必要がある。
  • 愛玩動物看護師:獣医師の補助や入院動物のケアを担う。2023年に国家資格となり、専門性が法的に位置づけられた。
  • ペット介護士:高齢・病気のペットの介護やケアを行う。民間資格で、未経験からでも学びやすい。
  • 動物理学療法士・リハビリ担当:手術後やシニア犬のリハビリを支える、近年広がっている分野。

▶こんな人に向いています:命に責任を持って向き合え、学び続けられる人。国家資格が必要な専門職が中心で収入は比較的安定しやすい一方、急患対応や看取りなど精神的な負担も大きい領域です。

②ペット・飼育動物に関わる仕事

犬・猫を中心に、飼われている動物の美容・しつけ・お世話に関わる仕事です。国家資格が不要な職種が多く、未経験から目指しやすいのが特徴です。

  • トリマー:犬・猫のシャンプーやカット、爪切りなど被毛と身だしなみのケア。
  • ドッグトレーナー(家庭犬訓練士):家庭犬のしつけや問題行動の改善をサポート。
  • ブリーダー:犬・猫などを繁殖・育成する。第一種動物取扱業の登録が必要。
  • ペットシッター:飼い主の自宅でペットの世話を代行する。
  • ペットホテル・ペットショップスタッフ:動物の預かりや販売、飼い主への提案を行う。
  • 動物カフェスタッフ:猫カフェなどで動物の管理と接客を担当する。
トリマーが犬の被毛をケアする様子

▶こんな人に向いています:人と接することが好きで、手先の器用さや根気がある人。資格がなくても始めやすく未経験の入り口が広い反面、立ち仕事で体力を使い、給与水準は高くなりにくいのが現実です。

③「働く動物」とともに働く仕事

人の役に立つ動物や、競技で活躍する動物を育て、ともに働く専門職です。高い技術と長い修練が求められます。

  • 盲導犬・警察犬・聴導犬の訓練士:使役犬を育成し、人と動物の信頼関係を築く。
  • セラピードッグトレーナー:医療・福祉施設で活動するセラピー犬を育てる。
  • 騎手・調教師・厩務員:競走馬の育成・調教・世話に携わる。
  • 装蹄師:馬の蹄を保護する蹄鉄を装着する専門職。

▶こんな人に向いています:動物と長期的に信頼関係を築ける忍耐強い人。高い技術と長い修練が必要で狭き門ですが、人や社会の役に立つ実感が大きい仕事です。早朝・休日勤務も多くなります。

④野生動物・自然・畜産に関わる仕事

動物園や水族館、自然環境、畜産の現場で動物と関わる仕事です。

  • 動物園・水族館の飼育員:動物の飼育管理や展示、繁殖計画に関わる。
  • 自然保護官(レンジャー):国家公務員として野生動物や自然環境を守る。
  • 野生動物調査員:生態調査や保全活動を行う。
  • 酪農家・畜産農家・畜産技術者:牛・豚・鶏などの家畜を育てる。

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▶こんな人に向いています:自然や生き物の生態に関心が強く、地道な作業を続けられる人。天候や季節に左右され体力も要りますが、生命や環境を支えるやりがいがあります。自然保護官など公務員系は採用枠が限られます。

動物に関わる仕事に必要な資格——国家資格は「2つだけ」

意外に思われるかもしれませんが、動物に直接関わる国家資格は「獣医師」と「愛玩動物看護師」の2つだけです。トリマーやドッグトレーナー、ブリーダーなどは民間資格や登録(第一種動物取扱業など)で働くことができます。

注目したいのは愛玩動物看護師です。長年「動物看護師」は民間資格でしたが、2022年5月に愛玩動物看護師法が施行され、2023年2月に第1回国家試験が実施されて国家資格化されました。動物医療の高度化にともない、専門職としての地位が法的に整えられた象徴的な動きです(農林水産省「愛玩動物看護師」)。

つまり、「資格がないと動物に関わる仕事はできない」わけではありません。資格が必須なのは一部の専門職で、多くの仕事は資格よりも実務経験や動物への向き合い方が重視されます

資格なし・未経験から動物に関わる仕事を目指す方法

未経験から動物に関わる仕事に就くには、次のようなステップが現実的です。

  • 1. 目指す職種を具体化する:同じ「動物の仕事」でも、必要な学び方や働き方は大きく違う。
  • 2. 現場を知る:アルバイトやボランティア、職場見学で実際の仕事内容と「厳しさ」も含めて確認する。
  • 3. 必要な知識・資格を身につける:専門学校・通信講座・OJTなど、職種に合った方法で学ぶ。
  • 4. 求人を探し、経験を積む:未経験可の求人から始め、現場で技術を磨く。

動物が好きという気持ちは大切ですが、それだけでなく体力・観察力・忍耐力、そして命を預かる責任感が求められる点も理解しておきましょう。

動物に関わる仕事の年収とやりがい・厳しさ

年収は職種によって大きく差があります。騎手や調教師のように高収入が期待できる職種がある一方、トリマーやペット介護士などは決して高給とは言えないのが実情です。動物の命を預かるため、早朝・夜間・休日の対応が必要な仕事も多くあります。

それでも、動物の成長や回復に立ち会えること、人と動物の橋渡しができることは、この仕事ならではの大きなやりがいです。収入面の現実とやりがいの両方を理解したうえで、長く続けられる働き方を選ぶことが大切です。

主な職種の年収の目安は次のとおりです。あくまで一般的な目安で、勤務先・地域・経験・雇用形態によって大きく幅があります。

職種年収の目安
獣医師約500万〜800万円
愛玩動物看護師約300万〜400万円
トリマー約250万〜350万円
ドッグトレーナー約250万〜400万円
動物園・水族館の飼育員約300万〜400万円
ペットショップ・ペットホテル等約250万〜350万円

ペット系の入り口の職種は、未経験スタート時は上記より低めになることも多くあります。収入だけでなく「長く続けられるか」「自分の価値観に合うか」を含めて選ぶことが大切です。

【新しい選択肢】福祉の現場で動物に関わって働くという道

ここまで紹介した仕事の多くは、専門学校での学びや厳しい採用を前提としています。しかし近年、「障がいがあっても、動物に関わって働ける場」が福祉の現場に広がっていることをご存じでしょうか。

その一つが、就労継続支援B型と保護犬猫を組み合わせた事業所です。就労継続支援B型は、一般企業での就労が難しい方が、自分のペースで働きながら工賃を得られる障がい福祉サービス。そこに保護犬猫のお世話やふれあいカフェの運営といった「動物に関わる仕事」を取り入れることで、利用者が動物のケアを通じてやりがいと役割を感じながら働ける仕組みが生まれています。

これは、行き場を失った保護犬猫を救う動物愛護と、障がいのある方の就労支援という、2つの社会課題を同時に解決する取り組みでもあります。「動物に関わる仕事は専門職や狭き門だけではない」——福祉という入り口から動物と関わる道も、確かに存在します。

保護犬猫を取り巻く現状や福祉との連携については、保護犬・保護猫の現状アニマルセラピーの効果の記事もあわせてご覧ください。

保護施設で保護犬猫のお世話をする様子

具体的な仕事内容は、保護された犬や猫の餌やり・清掃・健康チェック、ふれあいカフェでの接客や見守り、里親募集のためのSNS発信や写真撮影など多岐にわたります。動物の命に直接関わりながら、一人ひとりのペースや得意に合わせて役割を持てるのが特徴です。

「働く場をつくる」側になるという選択肢

動物に関わる仕事に就くだけでなく、そうした働く場を地域につくる側に回るという選択肢もあります。保護犬猫×就労継続支援B型のような事業所は、フランチャイズという形で開業することができ、福祉の社会的意義と動物愛護への想いを両立できる事業として注目されています。

「動物が好き」「地域に役立つ事業がしたい」という方にとって、保護犬猫と就労支援を組み合わせた福祉フランチャイズは、新しい働き方・生き方の一つになり得ます。

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動物に関わる仕事についてよくある質問

Q. 資格がなくても動物に関わる仕事はできますか?
A. できます。国家資格が必須なのは獣医師と愛玩動物看護師などに限られ、トリマーやドッグトレーナー、ペットシッターなど資格がなくても始められる仕事は多くあります。

Q. 文系・未経験でも目指せますか?
A. 目指せます。専門学校や通信講座で学べる職種が多く、未経験可の求人も少なくありません。まずは現場を知ることから始めましょう。

Q. 障がいがあっても動物に関わって働けますか?
A. 働けます。保護犬猫のケアを取り入れた就労継続支援B型の事業所など、障がいのある方が動物と関わりながら働ける場が広がっています。

この記事の監修者
市村 均弥(いちむら きんや)
株式会社ワンライフ 代表取締役

「障がいのカタチを変える」を掲げ、障がい福祉のフランチャイズを全国に展開。福祉と多様な産業(保護犬・保護猫、eスポーツ、農業など)を掛け合わせた事業モデルで、障がいのある方の“働く選択肢”を広げている。

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