市村均弥とは 株式会社ワンライフ代表取締役の歩みと障がい福祉にかける想い

2026.07.29

市村均弥(いちむら きんや)は、障がい福祉サービスを全国に展開する株式会社ワンライフ(群馬県前橋市)の代表取締役です。「障がいのカタチを変える」を理念に、2014年の創業以来、障がいのある方が自分らしく働き・暮らせる場づくりに取り組んできました。このページでは、市村均弥がどのような考えで事業を立ち上げ、何を大切にしてきたのか、その歩みと想いを紹介します。

市村均弥とは 株式会社ワンライフ 代表取締役

市村均弥は、就労継続支援A型・B型、児童発達支援、放課後等デイサービス、グループホーム、相談支援など、複数の障がい福祉サービスを直営とフランチャイズで展開する株式会社ワンライフの創業者です。障がい福祉サービスを10年以上運営してきた実績をもとに、現在も群馬県を中心に多くの事業所を運営しています。

その出発点には、少年期から一貫して持ち続けてきた「社会的に立場の弱い人の力になりたい」という想いと、自分自身が経験した“選択肢の少なさ”への問題意識がありました。

「社会の歯車になりたくない」少年期と、学歴の壁で知った現実

市村均弥は、いわゆる敷かれたレールの上を進むタイプではありませんでした。「考えてから動く」よりも「動きながら考える」。その気質から高校を中退し、工場勤務や飛び込み営業、建設現場など、さまざまな現場で働きながら社会に出ます。

飛び込み営業ではトップセールスの成績を収める一方で、痛感したのが“学歴の壁”がもたらす選択肢の少なさでした。本人の努力や能力とは別のところで、挑戦できる道が狭まってしまう。この実感が、のちに「人の選択肢を増やす」という事業の原点になっていきます。

その後、大学入学資格検定(大検)を取得して東京の大学に進み、群馬で製造業(ウレタン加工)の経営にも携わります。早くから「社会の歯車になりたくない」という独立心を持ち続けていました。

24歳での起業、そして最もやりがいを感じた「障がい福祉」

市村均弥が初めて起業したのは24歳のとき。複数の事業に取り組むなかで、最も強くやりがいを感じたのが障がい福祉の領域でした。

10代の頃から「障がいのある方、高齢者、女性、子どもなど、社会的に弱い立場に置かれやすい人の力になりたい」という想いを持っていた市村にとって、その支え方の答えが「選択肢を増やすこと」だったのです。

違和感から生まれた理念「障がいのカタチを変える」

就労継続支援の存在を知った市村均弥は、実際に事業所を見学します。そこで目にしたのは、多くの利用者が来る日も来る日も同じ単純作業を繰り返している光景でした。「これで本当にその人の可能性が広がるのだろうか」——強い違和感を覚えたといいます。

この問題意識から、2014年に株式会社ワンライフを設立。掲げた理念が「障がいのカタチを変える」です。これは「“○○だからできない”という偏見をなくす」という意味が込められています。障がいがあることが、できないことの理由にされてしまう社会のあり方そのものを変えていく——それが市村均弥の根本にある想いです。

「障がい×○○」という発想 選択肢を増やす事業づくり

偏見をなくすために市村均弥が選んだ方法が、「障がい×○○」という掛け算の発想です。福祉の枠にとどまらず、本人が「やってみたい」と思える分野と障がい福祉を掛け合わせることで、働く選択肢そのものを広げていきます。

  • 障がい×eスポーツ・ゲーム制作・動画編集(ONEGAME
  • 障がい×保護犬・保護猫(ONEPET
  • 障がい×農業(農福連携・ONENOUEN
  • 障がい×プログラミング・映像・3Dなどのものづくり

市村均弥が大切にしているのは、「まず一歩、家から出るきっかけ」を設計することです。たとえば動物が好きな人にとっては保護犬・保護猫と関われることが通う理由になり、同じ趣味の仲間がいることが続ける力になります。単純作業で終わらせず、トリミングやトレーナーなどのスキル習得を通じて小さな成功体験 → 自信 → 一般就労へとつなげていく。事業の選び方も「ペットありき」ではなく、利用者にとって意味のあるシナジーがあるかどうかを重視しています。

「課題×課題」モデル 二つの社会課題を同時に解く

市村均弥の事業設計には、もう一つの特徴があります。それが「課題×課題モデル」です。ワンライフの事業の多くは、二つの社会課題を掛け合わせ、同時に解決する形になっています。

たとえばONEPETは、障がいのある方の一般就労率の低さという課題と、保護犬・保護猫の殺処分という課題を掛け合わせた事業です。障がいのある方が動物の世話やトリミングを仕事にすることで働く力を身につけ、同時に行き場のなかった動物に新しい家族との出会いを生み出す。一つの事業が、複数の社会課題に効いていく——市村均弥はそうした構造を意図して事業を組み立てています。

「つぶれない経営」へのこだわり

市村均弥が経営者として強くこだわっているのが、「つぶれない経営」です。福祉事業者が倒産すれば、利用者は通う場所や働く場所を、そして大切な居場所を一度に失ってしまいます。実際にそうした事例を見てきたからこそ、市村は「続けられること」自体を福祉の責任と捉えています。

理念だけでも、収益だけでも、利用者を守り続けることはできません。社会的な意義と健全な経営の両立を追求する——その姿勢は、社会起業家・社会的企業のあり方(市村はムハマド・ユヌス氏やビッグイシューの取り組みに共感を寄せています)にも通じています。

乙武洋匡氏との取り組みと「凸凹村」

市村均弥の声がけにより、ワンライフには乙武洋匡氏が社外取締役として参画しています。日本で最も広く知られる障がい当事者の一人である乙武氏が掲げる「選択肢を増やす」という考え方は、ワンライフのビジョンとまさに重なります。

乙武氏は、障がいのある方のコミュニティ「凸凹村(デコボコ村)」の村長として、YouTube「デコボコ村チャンネル」やフランチャイズオーナー会での登壇、年に一度の大規模eスポーツ大会での実況・解説など、コミュニティの象徴として活動しています。福祉を“支援する/される”の関係だけで終わらせず、フラットにつながれる居場所をつくる——これも市村均弥が描く「障がいのカタチを変える」の一つの形です。

社会起業家として、市村均弥がこれから目指すこと

市村均弥が今、最も優先しているのは「一人でも多くの障がいのある方に、少しでも早く、より良いサービスを届けること」です。そのために事業展開を進めながら、各ブランドのコンテンツも常に開発・アップデートを続けています。

そして市村が見据える次の挑戦が「障がい×起業」です。働く選択肢を増やすだけでなく、障がいのある方自身が事業を生み出す側に立てる社会へ。「○○だからできない」をなくしていくという原点は、創業から今も一貫して変わっていません。

市村均弥の歩み

時期歩み
少年期「社会の歯車になりたくない」独立心。工場・飛び込み営業・建設現場で働き、学歴の壁=選択肢の少なさを実感
24歳初めて起業。複数事業のうち障がい福祉に最も強いやりがいを見出す
2014年就労継続支援の現場で感じた違和感を原点に、株式会社ワンライフを設立。理念「障がいのカタチを変える」を掲げる
現在就労継続支援A型・B型、児童発達支援、放課後等デイ、グループホーム、相談支援などを展開。「障がい×○○」「課題×課題」で事業を拡大
これから事業展開を最優先に、より多くの方へ。「障がい×起業」という次の挑戦へ

すべては「偏見をなくす」ために

高校中退から始まった市村均弥の歩みは、一貫して「選択肢を増やす」「偏見をなくす」という一本の線でつながっています。障がいがあることが、誰かの可能性をあきらめる理由になってしまわない社会へ。株式会社ワンライフと市村均弥は、これからもその実現に向けて事業を続けていきます。

関連リンク

ONELIFE
法人・事業者の方へFC加盟・開業フランチャイズみんなの障がいポータル・マッチング施設運営支援システム easyy請求ソフト・施設管理コンサルティング開業・運営のサポートお仕事のご依頼就労事業所へ発注080-7723-6089平日 09:00–18:00(土日祝を除く)
ワンライフについてサービスを知る施設を探すコラム採用情報法人・事業者の方へ☎ 080-7723-6089LINEで相談する